【10節を消化して見せた、浦和レッズの変貌(2)】ヘグモ体制になって約4か月で示したメンバーと戦い方を臨機応変に変える柔軟さ……最後尾からのプレーでのメッセージの画像
浦和レッズの西川周作 撮影:中地拓也

 前半のキックオフを告げる笛が響いてから数十秒後。浦和レッズのゲームキャプテン、DFアレクサンダー・ショルツからバックパスを受けた守護神の西川周作は、ボールを少しだけ前へ持ち運んだ直後に迷わずに左足を振り抜いた。

 ロングフィードは攻撃には繋がらなかった。しかし、左ウイングの中島翔哉を、名古屋グランパスの最終ラインの裏へ走らせた意図を西川はこう語っている。

「自分から前線の選手に対してのメッセージパスというか、そういったところを前半から見せたなかで、相手が嫌がるところも突けたと思っています」

 開幕3連敗を喫した名古屋は、その後の6試合で5勝1分けとV字回復を果たして埼玉スタジアムに乗り込んできた。マンツーマンでハイプレスを繰り返してくる戦い方に、西川は2月の開幕戦で喫した苦い思いを脳裏に蘇らせていた。

 0-2で完敗したサンフレッチェ広島戦との共通点は何なのか。西川はこう語る。
「マンツーマンで前から来られた開幕戦で、自分たちはボールを繋ぐことに重きを置いて戦い、そこではめられてなかなかうまくいかなかった。広島戦の経験が生きたというか、開幕戦での黒星が決して無駄じゃなかったと思っています」

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