後藤健生の「蹴球放浪記」第210回 横浜FMが初のACL決勝を戦う「アル・アイン」の歩き方(2)火を噴く「エンジン」、沢登が同点弾「W杯最終予選」、消えた「ホテル」の巻の画像
バックスタンド後方に岩山が見える。左の山のてっぺんに1人の男性が…。提供/後藤健生

 横浜F・マリノスが、AFCチャンピオンズリーグACL)決勝初進出を決めた。5月にホーム&アウェイ方式でファイナル2試合を戦う。アジアの王座を争う相手は、UAEのアル・アイン。蹴球放浪家・後藤健生はもちろん、優勝チームが決まる第2戦アウェイの地をスカウティング(事前分析)済みだ。

■現在と違う「W杯予選方式」

 さて、僕が初めてアル・アインを訪れたのは、1993年4月から5月にかけてのアメリカ・ワールドカップ1次予選のときでした。

 1次予選は、日本とUAEのダブル・セントラル方式で行われました。

 日本はまだワールドカップ出場経験はなく、一方のUAEは4年前のイタリア大会に出場していましたから、当時の日本にとってUAEは格上の強豪でしたが、東京での1回戦では柱谷哲二と高木琢也のゴールで日本が勝利。そして、UAEラウンドの最終日に、日本は再びUAEと対戦。その会場がアル・アインでした。

 このときの大会では、UAEは全試合をアル・アインで戦い、他の試合はドバイで行われました。ですから、僕はずっとドバイに泊まっていて、UAE戦の朝にバスでアル・アインに向かいました。途中でバスのエンジンが火を噴いてしまって、砂漠の中の高速道路の脇で代替バスを待つという経験をしました。

 そして、日本は82分に失点してしまいましたが、すぐに澤登正朗が決めて追いつき、最終予選進出を決めました。

 しかし、アル・アインは日帰りでしたから、市内の印象などはほとんど残っていません。

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