■名前の意味は「泉」
それに比べて、内陸にあるアル・アインは、それなりに小高い丘が点在するなど「景色」があります。それに、ドバイやアブダビのような大都市とは違って、広々とした空気感があります。また、都心部でも巨大な高層ビルはなく、小さな商店や食べ物屋が並んでいる、昔ながらのアラブの街の風情が残っています。
ですから、僕にとって、アル・アインは湾岸諸国の中では好きな都市の一つということになります。
アル・アインという都市名の「アル」はアラビア語の冠詞。そして、「アイン」は「泉」という意味です。つまり、アル・アインは砂漠の中のオアシス都市で、青銅器時代から人々が住んでおり、砂漠を横断して東洋からの商品を地中海方面に届ける交易の中継地でもありました。
今でも、アル・アインにはオアシスが残っていて、周辺の遺跡や宮殿などとともにユネスコの世界遺産にも登録されています。訪れてみると、塀に囲まれたオアシスの中は緑の木々に覆われ、縦横に水路も走っています。