■堅守の仙台は攻撃も上向き
一方のベガルタ仙台は、昨年までU-17日本代表を指揮した森山佳郎監督を迎え、4勝5分1敗の5位につけている。7位にとどまった22年は59失点、16位に沈んだ23年は61失点していることから、新監督は守備の構築からチーム作りをスタートさせた。
システムは4-4-2とし、GK林彰洋と4バック、ダブルボランチの長澤和輝と工藤蒼生は開幕節からほぼ固定し、守備ブロックの練度を高めてきた。開幕節は大分トリニータ、2節V・ファーレン長崎と、J1昇格候補とのアウェイ連戦からシーズンがスタートすることを考えても、まずは守備に力点を置いたチーム作りは理に適っていただろう。
その結果、ここまでリーグ最少の6失点でしのいでいる。クリーンシートは5試合を数え、複数失点はシーズン初黒星となった愛媛FC戦のみだ。
攻撃にも少しずつ変化が見られている。ここまで10得点はリーグ最少6位タイだが、ここ4試合はすべて得点をあげており、7節の横浜FC戦、前節のモンテディオ山形戦では複数得点を記録して勝利につなげた。
その過程で、攻撃陣もスタメンが固まってきた。FW中山仁斗を頂点にFW中島元彦がセカンドトップの位置で構え、右に郷家友太、左に相良竜之介が入るカルテットが、森山監督のファーストチョイスとなりつつある。昨シーズンわずか2得点に終わった中山は、すでに3ゴールをマークしている。また、4得点の相良はブレイクの予感を漂わせる。
「超攻撃的」を掲げるホームの清水が、仙台の堅守をいかにこじ開けるか。それこそがこの試合の注目ポイントだが、守備の安定感を得られていない清水から、攻撃陣が固まってきた仙台が得点を奪えるかどうかも、もちろん勝敗を分けることになる。