■岩尾「シンプルなことを整理する」
今の浦和は、前からプレスに行くと良いシーンも多いが、いったんブロックを作って構えると、わずかに隙が生じてしまう場面もある印象だ。岩尾は「それは僕も感じている。プレスに関して良いシーンが出ている。押し込まれた時のブロックを使った守り方に関してはアラートさに欠ける」と問題点を口にする。
まだチーム作りは道半ばでありヘグモ式のサッカーが100%浸透されていないが、リーグ優勝を掲げるのであれば悠長なことは言っていられない。乱暴な言い方をすれば試行錯誤しながらプレーする中で早く慣れるしかない。ただ、チームには経験値もあり個の能力が高い選手は揃っている。迷いなく方向性の統一さえできれば安定した戦いはできるようになるだろう。
しかし、試合は待ってはくれない。中3日での4月7日のサガン鳥栖戦、その後の中4日で11日の柏レイソル戦が控えている。岩尾は「コンパクトに保ちながら自分たちのプレスを成立させる。良い守備ができていないから良い攻撃ができていない見方もできる。シンプルなことを整理する。起きてしまったことに向きあって次にやっていくのが大事」と前を向いた。
これ以上、上位陣に引き離されないためにも、チームとして共通認識を深めること、そして、ただひたすら勝つための準備と努力を惜しまないこと、それが今のチームには必要だ。
ここからの2戦で浦和は浮上のきっかけを掴めるのか、大いに注目したい。
(取材・文/石田達也)