■6分で2ゴール! 仙台が鮮やか逆転劇

 森山監督は後半開始とともに、MF工藤蒼生を下げてMF松井蓮之を投入する。果たして、3月中旬に川崎フロンターレから期限付き移籍してきた松井の登場が、試合の流れを変えていく。追いかける展開で縦への意識を強めるチームで、松井の縦パスが攻撃にスイッチを入れていくのである。

 57分だった。松井の縦パスを受けた中島が、DFのマークをかわして左サイドへ展開する。左SBの石尾陸登を経由したボールが相良にわたり、ゴール前へクロスが入る。マーカーの背中をとった中山が、得意のヘディングで自身シーズン2点目となる同点ゴールを突き刺した。

 1対1に追いついた仙台の森山監督は、61分に同点弾をあげた中山を下げ、FWエロンを投入する。直後の62分、右サイドで相手DFにプレスをかけた郷家がボールを奪い、中央へパスを送る。受けたのは相良だ。ペナルティエリア内でシュート態勢を整えると、右足のコントロールショットがネットを揺らす。仙台はあっという間に試合を引っ繰り返した。

 リードを奪ったら、得意の逃げ切りパターンへ持ち込めばいい。81分、森山監督はDF知念哲矢とDFマテウス・モラエスを送り出し、守備時は5バックになるシステムで相手の攻撃を跳ね返す。このまま2対1で逃げ切った。

 守備を強みに勝点を積み上げていきながら、攻撃力を高めていく。2節以来の複数得点と初の逆転勝利で、仙台は6位から3位へ順位をあげた。中3日で迎える次節でも攻撃力を発揮できれば、半歩ではなく一歩前進ということになるだろう。

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