J1の名古屋グランパスが、3月30日に行われたJ1第5節で横浜F・マリノスに2-1で勝利した。逆転勝利へと導いたMF森島司の同点ゴールに、称賛の声が上がっている。
名古屋は開幕戦から3試合連続で完封負けと、厳しいスタートを切っていた。中でも、苦しい思いを抱えていたひとりが森島かもしれない。
森島は昨シーズン途中の8月に、サンフレッチェ広島から名古屋へと完全移籍を果たした。三重県出身の森島にとって、U-15チームに所属した古巣への帰還だった。
大きな期待で迎えられたはずだが、加入後は勝利に直結する仕事ができず、チームも順位を落としていった。森島自身もベンチスタートが増えていった。
捲土重来を期した今季も、開幕戦からスタメン出場を果たしたが、結果がついてこなかった。第3節では、先発を外れることになった。
だが、前節にようやく今季初勝利に貢献すると、待望の瞬間が訪れた。名古屋のユニフォームに袖を通してから、初めてのゴールを決めたのだ。
3試合ぶりのホームゲームで、森島は先発出場。昨季準優勝の横浜FMにリードを許す苦しい展開だったが、森島が見事な働きを披露する。
1点を追っていた後半32分のことだ。相手陣でプレーしていた名古屋だが、一度は自陣までボールを下げる。だが、この瞬間を好機ととらえていたのが森島だった。
前半のうちに交代出場で3バックの一角に入っていた吉田温紀にボールが渡ったところで、森島がスプリントを開始する。左手で上げられた横浜FM最終ラインの裏を指差し、ダッシュ。見事にボールを呼び込んだ。
森島の見せどころは、さらに続いた。ボールの落下点となるペナルティーアークに入ると、選択したのは1タッチシュート。横浜FMのGK白坂楓馬の頭上を抜くループシュートが弧を描き、同点ゴールが決まった。