■大きくなる平河悠の存在感

 U-23代表は4月中旬からカタールで、パリ五輪アジア最終予選を兼ねたAFC・U-23アジアカップを控える。しかし、同大会は国際Aマッチデー期間外の開催となるため、各国サッカー協会は選手を拘束できる権利を持たない。

 日本サッカー協会も、シーズン終盤の大事な戦いの渦中にいるヨーロッパ組の招集は難しいと覚悟している。そのなかにはドリブル突破を武器とするウインガー、斉藤光毅三戸舜介(ともにスパルタ・ロッテルダム)も含まれている。

 だからこそ、プロ1年目だった昨シーズンのJ2で町田の優勝とJ1初昇格に貢献し、J1でさらに成長を加速させている平河の存在感が増してくる。

 もっとも、今夏のパリ五輪出場へ向けた“光”となる、身長170cm体重72kgの平河がちょっとだけ返答に窮し、苦笑いを浮かべた場面があった。
「そうなんですか……よかったです」

 地上波で生放送されたマリ戦で、町田の選手が初めて“全国区”になったと知らされた直後の反応だ。U-23ウクライナ戦の後半からは右ウイングでもプレーしたユーティリティー性だけでなく、ピッチ外で見せる初々しさもまた平河の魅力となる。

(取材/文・藤江直人)

(2)へ続く
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