■ボールを持ってから考えて「プレーが遅くなった」

大住「特に前半の途中からは、前に出ていく推進力が全然なかったんだよね。森保一監督も、選手たちはもっと前に出してよかったんじゃないかと言っていた。ボールを前に出して、さらに追い越していく動きを続けないと。2点目、3点目を取れる形はできていたけれど、もっともっとチャンスをつくれないといけないという流れの前半だったよね」

後藤「良い時間にはワンタッチのパスがポンポンと正確につながっていたのに、時間がたつにつれて選手がパスを受けてから考える、という場面が増えていった。そういうところで相手に抑えられるようになって、パスの回りが遅くなった」

大住「そうなんだよ。ボールを持ってから考えて、もっと良いことができると思い過ぎてプレーが遅くなるんだよね。もっとシンプルにボールを動かしていけば、周りも一緒に動いてつながっていくのに。もっと良いことができる、と誰かが考え始めると、全員の足が止まってしまう。そうなると、前に行く速さも出なくなるし、ミスも起こるよね」

後藤「試合の入りがうまくいき過ぎるとよく起きる現象だね」

大住「今回の試合で、堂安律はとても良いコンディションで、強さも見せていたと思うんだけど、途中からシンプルさが失われてプレーが遅くなった感じがしたよね」

後藤「開始から30分までの堂安は、本当に素晴らしかった」

大住「その後はブレーキがかかるようになった気がした」

後藤「パスをつなぐチームには、よくあることだよ」

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