後藤健生の「蹴球放浪記」第203回【2つの日本代表と「コルドバ発・コルドバ行き航空券」の巻】(2) 暗転した「離陸前の飛行機」と「トルシエ・ジャパン」の画像
スペイン対日本のミックスゾーン・チケット。図柄はコルドバの名所、メスキータの有名な列柱。提供/後藤健生

 旅には、おかしなことがつきものだ。蹴球放浪家・後藤健生は2001年、2つの日本代表を取材するためにアルゼンチンからスペインへと向かった。その旅は、コルドバからコルドバへと向かうという奇妙なものだった。

■コルドバから「コルドバ」まで

 当時、アルゼンチンで取材をするときは、日本人なら誰でも日本サッカー協会国際委員だった北山朝徳さん(故人)のお世話になっていました。

 ブエノスアイレスで手広く事業を行っていた北山さんは、日本と南米サッカー界との仲介役で、アルゼンチン協会(AFA)や南米連盟(CONMEBOL)のお偉方たちと昵懇だったので、北山さんに依頼すれば、どんな取材でも許可してもらえたのです。

 そして、北山さんの会社は旅行業もやっていたので、「コルドバ発・コルドバ行き」の航空券も北山さんの会社で発券してもらいました。

 コルドバからコルドバまでの旅行……。それだけでも十分に面白そうなのですが、旅の醍醐味は急な予定変更やトラブルの数々にこそあるものです。

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