■攻撃的姿勢が鮮明の藤枝は興味深い存在

 その岡山と4節で対戦する藤枝MYFCは、開幕節で長崎と引分けた。ホームでスコアレスドローに終わったものの、J1昇格候補にあげられる長崎を押し込む時間帯もあった。

 昨シーズン9ゴールのFW矢村健が、アルビレックス新潟からの期限付き移籍を延長したのは大きい。新潟からは馬力のある突破が魅力のMFシマブク・カズヨシも期限付き移籍している。

 札幌からの期限付き移籍で、FW中島大嘉も獲得している。昨シーズンはリーグ戦で得点のなかった188センチの大砲が覚醒すれば、攻撃のバリエーションはさらに豊富になる。

 中盤には梶川諒太の名前がある。キャリアの大半を東京ヴェルディに捧げてきた34歳のMFは、開幕戦からセントラルMFとしてチームに落ち着きをもたらした。ビルドアップから崩しにまで関わる彼の加入は、中盤に厚みをもたらしてくれる。さらには昨年5月に大ケガを負った主将のMF杉田真彦が、開幕戦で戦列復帰を果たしたのも明るいニュースだ。

 J2初挑戦となった昨シーズンは、夏の移籍市場で得点源のFW渡邊りょうとクロッサーのMF久保藤次郎をJ1のクラブへ引き抜かれた。それでも、リーグ6位タイのシーズン61ゴールを記録した。

 須藤大輔監督が打ち出すアグレッシブなスタイルが進化を遂げ、昨シーズンの課題だった失点を減らすことができれば──藤枝は面白い存在になる。彼らの攻撃的な姿勢は、観る者をワクワクさせるのだ。

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