■初昇格「守備を固めてカウンターの町田の運命」
――初昇格のFC町田ゼルビアはどうでしょうか。
大住「僕は12位とか、そのくらいの順位まで行くんじゃないかなと思っているんだけど」
後藤「Jリーグにいろいろなスタイルのチームがある中で、町田は守備を固めてカウンターという色が一番強いでしょ。そういう前から行くのではなく後ろで構える守備をするチームが、どこまでJ1で通用するかな。スタイルのせめぎ合いという意味で、どうかなあという感じがするんだよね。J2ではそれが功を奏して優勝できたけど、J1の攻撃力のあるチームにも通用するか分からない。シーズンの中で町田自体がどう変わっていくかということもあるし、その辺は見どころだと思う」
大住「初めてのJ1ではあるけれど、去年から監督は変わってないし、監督が信じることも変わらないよね。逆に言うと、1点取れれば勝点を取れるチームかもしれないよ」
後藤「今年の開幕戦でも、J2だったらウノ・ゼロで勝っていたかもしれない。でも、ガンバ大阪に1点取られて追いつかれて、引き分けたでしょ。J1には同点FKを決めた宇佐美貴史のような選手がいるわけだよ。そういう選手がいる相手には、守っていても最後に追いつかれちゃう」
大住「そうだね。でも、最初の試合で勝点1を手にしたというのは悪くないよね。シーズンを通してどうかは分からないけど、自分たちの試合はできたと思うんだよね。それを、ロングスローばかりだとか、つまらないとか、周りに何を言われても気にせずに貫けば、残留というか、12、13位という中位の成績で終わることは可能なんじゃないかなと思う。Jリーグでは夢見るチームが多くて、夢を見ているうちに勝点につながらないまま終わっちゃう、ということが多いから、本当に異色の現実主義のチームだよね」
後藤「Jリーグでは本当に珍しいスタイルのチームだしね。それがJ1で本当に通用するのかは見どころだよね。去年の東京ヴェルディとの対戦では、城福浩監督が時間の使い方など、町田に対して苦言を呈していたから、今年もダービーマッチがどうなるか楽しみだよ。城福さんは会見でそう語ることで、自分の選手たちに東京Vらしい戦い方を説いていたわけだけどね」