身長178センチ遠藤航とプロ野球の外野手に学ぶ「落下点」の見極め【日本サッカーに「足りない」頭の使い方】(2)の画像
遠藤航に学ばなくてはならない技術がある。撮影/原悦生(SONYα1使用)

 サッカー日本代表はアジアカップの準々決勝で敗れ、ACLのラウンド16では2つのJリーグクラブが姿を消した。これらの敗退には、ある共通点があるとサッカージャーナリスト大住良之は考える。「ヘディングの重要性」を、日本サッカー界は見落としているのだ。

■基本は「ゴールへのおじぎ」

 ヘディングシュートの基本は「ゴールへのおじぎ」である。GKの足元に叩きつければ、GKに当てさえしなければ得点になる確率は非常に高くなる。できれば、GKのポジションの少し手前のグラウンドに叩きつける。「ゴール内のグラウンドを狙え」と指導するコーチもいるが、直接触れることができるボールより、ワンバウンドして跳ね上がってくるボールのほうが、GKははるかに対応が難しい。

「ゴールへのおじぎ」という考え方は、サイドからの速いクロスをニアポスト前、あるいはゴールの枠を外れたエリアからヘディングするときに、より重要なポイントとなる。こうしたボールに対して、Jリーグでは大半の選手がボールを頭の横でとらえ、そして頭を横に振る。その結果、ボールはファーポストの外に逃げていく。そうしたヘディングシュートの失敗を、1試合に1回は見る。

 では、どうしたらいいのか。ボールを額の正面でとらえ、体をひねりながら「ゴールにおじぎ」をするのである。そうすれば、着実にGKの足元を襲うことができる。こうしたヘディングシュートがきたら、GKはボールが自分の足あるいは体を直撃するという幸運を祈るしかなくなる。

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