■守備のブロックはCBを素早く固めたい

 守備のブロックはほぼ固まっている。

 GKは権田修一だ。昨年のJ1昇格プレーオフに出場したGK大久保択生は移籍したが、世代別代表の経験を持つ沖悠哉鹿島アントラーズから加入した。5人が争うGKは万全だ。

 両サイドバックは右が原輝綺、左が山原怜音だろう。3-4-2-1のウイングバックにも対応する彼らの存在は、秋葉監督にとって頼もしいはずだ。原は3バックの右CBにも対応する。バックアップは右が北爪健吾、左が吉田豊と、経験豊富な選手がチームを下支えする。GKとサイドバックについては、控えの選手も含めて不安はないだろう。

 ポイントは鈴木義宜の抜けたCBだ。

 昨シーズン37試合出場の高橋祐治のパートナーは誰なのか。FC東京から期限付き移籍の蓮川壮大か、サンフレッチェ広島から加入した住吉ジェラニレショーンか。 蓮川はヴァンフォーレ甲府に期限付き移籍した昨シーズン、キャリアハイとなるリーグ戦31試合出場を記録した。住吉は秋葉監督指揮下の水戸でプロデビューを飾った選手で、対人プレーの力強さに定評がある。

 J2リーグ戦における清水は、ボール保持率で相手を上回る試合が多い。そのなかでCBには、ビルドアップから前線へボールを出し入れし、カウンターに備えたリスクマネジメントが求められる。カウンターを受けた場面では、数的同数でも確実に危機を回避しなければならない。

 このチームなりのCBの役割に照らすと、昨シーズンの経験がある高橋が軸になるのだろう。彼のパートナーを早く固めることで、守備の不安はなくすと同時に試合運びを安定させたい。

補強充実度:B
選手の入れ替わりはあったが、人材不足のポジションはない。あえて不安材料があるとすればFWか。北川とタンキがスロースタートになると、得点源不在に苦しむ可能性がある。逆に、彼がふたりが好調を持続していった場合、4-2-3-1のシステムに手を加えるのかどうか。こちらは贅沢な悩みだ。

昇格可能性:A
今シーズンもJ1昇格を逃したら、”J2の沼”にハマってしまうとの危機感は、クラブ全体の認識と言っていいだろう。昨シーズンは最終節の引分けで自動昇格圏の2位から転落し、J1昇格プレーオフ決勝では後半アディショナルタイムの失点で昇格を逃した。勝点1の重み、1点の重みを痛感した経験も、今シーズンを戦ううえでプラスになるはずだ。

(3)へ続く
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