Jリーグの2024年シーズン開幕が近づいている。世界でも例を見ないほどに力が拮抗するJ1は毎年、さまざまな面白さを提供してくれる。今シーズンのJ1は、どのような展開になるのか。サッカージャーナリスト大住良之が、1月までの日本サッカーの歩みを踏まえつつ、各チームの新戦力や取り巻く状況などから今シーズンを占う。
■2つのACLに「出場する」横浜FMと川崎
来季のACL(2024/25シーズン)の出場枠は、新規の「ACLエリート」が3クラブ、「ACL2」が1クラブ。昨シーズンのJ1優勝、準優勝クラブ(ヴィッセル神戸と横浜F・マリノス)、そして天皇杯の優勝チーム(川崎フロンターレ)の出場は決まっている。今年5月に決勝戦が行われる2023/24シーズンのACLで日本のクラブが優勝すると、そのクラブが「ACLエリート」の最初の1枠に収まり、Jリーグ優勝と天皇杯優勝は次の枠、Jリーグ2位クラブは「ACL2」への出場となる。日本から優勝チームがでなければ、Jリーグ3位サンフレッチェ広島が「ACL2」に出場することになる。
横浜FMと川崎は、これからの今季ACLのノックアウトステージに加え、9月からは新シーズンのACLに出場しなければならず、日程面では神戸以上に苦しい。
横浜FMは、ケビン・マスカット監督が退任(中国の上海海港=旧上海上港の監督に就任)し、アンジェ・ポステコグルー監督時代からの「オーストラリア路線」を継続してハリー・キューウェル監督が就任した。MF天野純が韓国の全北現代から復帰し、川崎から万能のCB山村和也を獲得したが、若手のCB角田涼太朗が欧州に移籍。試合数が多い中、手薄なCB問題が懸念される。