■「相手のやってきていることは非常にハッキリしてた」
それが顕著になったのは、イランが蹴り込み作戦をより徹底してきた後半だ。日本は久保建英(レアル・ソシエダ)の左クロスに上田が飛び込んだ決定機を逃すと、逆に後半10分に同点弾を食らう。アズムンの見事な反転からのスルーパスにモヘビが抜け出した瞬間、板倉は背後を取られ、完全に後手を踏む形になったのだ。
それを機に相手の勢いが増し、徐々に日本は防戦一方になっていく。森保一監督が守備で効いていた前田大然(セルティック)とタメを作れる久保を下げ、三笘薫(ブライトン)と南野拓実(モナコ)を投入した後半22分以降はさらにその傾向が強まり、板倉と冨安中心とした守備陣は跳ね返す仕事に忙殺され続けることになってしまった。
「後半は押し込まれるなかで、相手のやってきていることは非常にハッキリしてたし、それを自由にやらせてしまった。たくさんピンチを作られた中で、その前の局面で勝てればあそこまで運ばれなかったっていうのもあると思う。そこは反省しないといけない。
個人としての能力をもっと上げないといけないし、アジアの戦いではそういう(ロング)ボールが増えるので、絶対的な存在感を出せるようにならないといけないと思います」と彼は悔しさを吐露した。