Jリーグが2024年シーズン開幕に向けて動き始めている。進化を続けるJリーグは、今季もレギュレーションにいくつかの変更が加えられた。そうした変化は、リーグの行方にどんな影響を及ぼすのか、サッカージャーナリスト後藤健生が読み解く。
■上位と下位の逆転現象
さて、こうしたいくつかのレギュレーションの変更があったJリーグ。今シーズンのJ1特徴の一つは監督交代が少なかったこと。そして、監督交代が上位チームに多かったことだ。
監督交代が行われたのは、昨シーズン準優勝だった横浜F・マリノス(ケヴィン・マスカット → ハリー・キューウェル)、4位だった浦和レッズ(マチェイ・スコルジャ → ペア=マティアス・ヘグモ)、5位だった鹿島アントラーズ(岩政大樹 → ランコ・ポポヴィッチ)だけだ。
普通なら、前シーズンに成績が上がらなかったチームの監督こそ交代するはずだが、昨年残留争いに巻き込まれたチームでも監督交代はなかった。
もちろん、下位チームでもたとえば柏レイソルの井原正巳監督のようにチーム状態がリーグ戦終盤になって上向いてきたチームもあるし、残留争いに巻き込まれたとしても試合内容は悪くないといった場合もあるし、安易に監督を交代させても改善できるとは限らない。
だが、プロチームの監督には「結果責任」も求められるはず。下位クラブが、どこも監督を交代させなかったというのは、やはり驚きだ。