サッカー日本代表の2024年は、元日のタイ代表戦から始まった。その道は、すぐに開幕するアジアカップ、さらにその先へとつながっていく。この1月の「絶好機」をどう活かすべきなのか。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■メンバー選考を読み解く
1月1日に東京・国立競技場で行われたタイ代表戦。招集されたメンバー26人のうち国内組は9人で、そのうち2人がGK。つまり、フィールドプレーヤーは7人だったが、そのうち5人が先発で起用された。
先発した国内組5人のうち、細谷真大、佐野海舟、藤井陽也の3人はフル出場。毎熊晟矢は78分、森下龍矢は68分までそれぞれプレーしている。
一方、海外組でフル出場したのはGKの鈴木彩艶を除くと町田浩樹だけ。そして、鈴木と町田に次いで長い時間プレーしたのは田中碧の78分間で、その田中はタイ戦直後に発表されたアジアカップ日本代表のメンバーから外された。
つまり、アジアカップ・メンバーに入った海外組で45分間以上プレーしたのは伊東純也の68分だけだったのだ。
タイ戦がこのようなメンバー構成になったのには、2つの理由があった。
一つは、格下のタイ代表相手の試合を新しいメンバーをテストする場と考えたからだろう。
初招集の伊藤涼太郎をトップ下、代表2回目の佐野をボランチで起用。ワントップにはU-21代表のエースストライカーである細谷を置いて、若い選手、経験の少ない選手たちに中央の軸となるセンターポジションを担わせたのだ。
国内組を先発で起用して長い時間プレーさせたのは、選手たちのコンディションを考えたからでもある。