■女子サッカーの多様性

――五輪では、なでしこジャパンにも期待がかかります。

後藤「女子はワールドカップの翌年にオリンピックがあるから大変だよね」

大住「池田太監督は良い仕事をしていると思う。なでしこジャパンのサッカーで、どんどん進化するヨーロッパの現代サッカーにどう対抗するかを、ワールドカップで見事にやってのけてみせたと思うよね」

後藤「ワールドカップまで1年を切ったところで突然3バックに切り替えて、おやおやと思っていたら本大会ではちゃんと使えるようになっていた。そうしたらまた4バックに戻したり、常に先手を打って動いているよね」

大住「2011年になでしこジャパンがワールドカップで優勝して以降、ものすごく女子サッカーは進歩した。一番の要因はヨーロッパのビッグクラブが女子サッカーに力を入れ出したこと。良い環境をつくり、良い条件でプレーさせて、あっという間にエンターテインメント性の高い試合ができるようになった」

後藤「日本でもWEリーグが始まって、本当にプロのレベルに達するのか疑問に思うこともあったけど、2年目に入るとプレー強度やレベルが随分と上がったんですよね。日テレ・東京ヴェルディベレーザ的なパスをつなぐサッカーもあれば、三菱重工浦和レッズレディースはフィジカルの強い選手を入れて長いパスを使ったし、セレッソ大阪ヤンマーレディースは若い選手を使って遠くまで見てパスをつなぐサッカーと、非常にプレーが多様化してきている。日本の女子サッカー全体が変わってきているし、レベルが上がっていると思う」

  1. 1
  2. 2
  3. 3