2023年、日本サッカー界は成長を続けた。ドイツ、スペインを撃破した2022年のカタール・ワールドカップに続き、アウェイの地でリベンジに燃えるドイツを返り討ちにするなど、世界を驚かせ続けた。その成長は、2024年も続くのか。日本サッカー界の成長への期待と、そのために必要なポイントについて、ベテランサッカージャーナリストの大住良之と後藤健生が、年をまたいで燃え盛る激論を交わした。
■厳しい五輪出場権獲得
――2024年にはパリ・オリンピックがあります。男子は前回五輪でも、メダルに手が届きませんでしたが…。
大住「まずは出場することだよ。出場権獲得までの道のりは、結構厳しいよ」
後藤「U-23アジアカップで、まずは準決勝に進まなければいけないわけだけど、一番厳しいグループに入った。韓国やUAEがいるわけだからね。ただし考えようによっては、準々決勝で韓国と当たることはなくなったんだから、幸いだとも言える。せっかくグループ首位で勝ち抜いたのに、決勝トーナメント初戦で韓国に煮え湯を飲まされる経験を、何度もしているからね。今回の組み合わせを見て、韓国と準々決勝で当たらないのは良かったと、まず思ったもんね」
大住「相手も同じように思っていると思うけどね。オリンピックは、これからのワールドカップと違って、出て当たり前という大会じゃないよね」
後藤「とにかく、レギュレーションが大変だよ。グループステージを突破した後は、一発勝負だからね。ホーム・アンド・アウェイのリーグ戦だったら、1、2回のミスがあったって辻褄は合うものだけど、ユース年代は準々決勝で負けたらおしまいなんだから。フル代表のアジアカップよりも、よほどスリリングだと思うよ」
大住「そういう予選の準々決勝、準決勝あたりで急に集中力を発揮する選手っているよね。そういう選手がいないと、勝つのは難しい。オーバーエイジがどうのこうのなんて話は、まだまだ早いよ」
後藤「本大会に行けば、久保建英も使えるかもしれない。ヨーロッパでやる大会だから、出る可能性は高いんじゃないかな」
大住「レアル・ソシエダとしては、頭が痛いよね。今年はアジアカップがあるし、オリンピックがあるんだから」
後藤「僕が問題だと思うのは、日程だよ。アジアカップが終わった直後にUEFAチャンピオンズリーグのラウンド16があるんだよ。AFCはひどいと思う。アジアカップの直後に、ACL」(AFCチャンピオンズリーグ)の方もラウンド16があるんだよね。代表チームとクラブとではカテゴリーは違うけど、両方ともAFC主催の大会だよ。何を考えているのかな」