【J1川崎が取り組んだ23年の「成長」は、24年にどうつながるのか(3)】鬼木監督が自身と成長を手にしたと感じる「7人の選手」――語っていた代表選出への期待の画像
今季最終戦となったACL蔚山戦でベンチに座る川崎フロンターレの鬼木達監督 撮影:中地拓也

 天皇杯決勝を前にした麻生グラウンドで、鬼木達に質問をした。成長を掲げた1年間で自信をつけたと感じる選手はいますか、と、

 指揮官から見てどう感じているのかを知りたかったため個人名を挙げてほしかったのだが、それは難しいかとも思っていた。ところが実際は、質問を終える前に話し始めるような形で、「もともとね、ヤスも自信を持ってやってましたけど……」と口にする。“ヤス”とはもちろん、脇坂泰斗だ。

「ヤスも外れる時期もありましたが、やるべきことをより研ぎ澄ましてやるようになって、自分のパフォーマンスがチームの成績に反映されるっていうのをより意識するようになりました。その成長もあります」

 背番号14は今季、チームを名実ともに象徴する選手になった。3月から4月にかけて試合に絡めない時期もあった。ピッチで圧巻のパフォーマンスを披露しながらチームは敗れ、その悔しさでピッチを叩いたこともあった。それでもチームをけん引し、最後はその出来がチームの勝敗を左右することを示した。チームは8位に終わったが、その中からJ1リーグのベストイレブンに選出されたことは、何よりの証明だろう。

 今年4月下旬になるが、鬼木監督は脇坂に対して「期待している」と笑顔で語っていた。さらに、「他の選手にはない基準で僕も定めているところもありますし、それにしっかりと応えてくれてきている。すごくいい成長をしている」とも明かす。そして、「本当にいい選手ですけれども、目指すところは代表とか、そういうところだと思いますので、自分もハッパをかけなきゃいけないところもあります」とも期待を表していた。

 元日に行われたタイ代表戦でのサッカー日本代表メンバーに選ばれなかったことで、川崎サポーターも多くの人が肩を落としたと思われるが、それは、鬼木監督も同じだったはずだ。

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