■脇坂に続けて挙げた6人の名前

 脇坂に続いて、「樹なんかもね」と、瀬古樹の名前を続けた。22年に川崎に完全移籍してきた瀬古は、その1年目に13試合しか出場できなかったものの、今季は28試合に倍増。出場時間で言えば、299分から1467分と倍増どころではない

「昨年も努力してましたけども、その努力がだんだん実ってきたというか、自分に足りないもの、自分のストロング、そこをしっかりと理解した中でやれている、伸びてる選手の1人だと思います」(鬼木監督)

 続けて、「当然、健人もそうですし」と今季のキャプテンに指名した橘田健人の名前も挙げた。さらに、「ベテランにしても悠もここに来てまた非常に頼もしい存在になってますし、視来も最近そうです」と日本代表としての確固たる経歴を持つ小林悠山根視来についても言及。

 そして、「新しい選手でも拓磨なんかもそうやって自信を持ってやってるし」と移籍初年度にして最終ラインでポジションを守った大南拓磨の名前も挙げる。さらに、「試合数はちょっと減ってますけど、例えば(宮代)大聖も伸びてないのかって言ったら伸びてるし、(山田)新も伸びてます」と、下部組織出身の若手ストライカー2人についても話す。

 ここまでで上がった選手の名前は7人。「自分から見れば、みんな伸びてます」と話し、そのまま話を聞けば、全員の伸びた箇所を説明するかのような勢いだった。

 すでに退団や移籍が発表されている選手もいるように、24年シーズンは23年とは違ったチームで挑むこととなり、異例の試合数に挑むシーズンともなる。23年の成長を生かし、そして、新戦力を融合させてさらなる飛躍を狙えるか。1月11日、川崎大師と商店街からその戦いは始まる。

(取材・文/中地拓也)

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