■川崎の強さを示す数字
2005年からの19シーズンにシーズン20ゴール以上を記録した延べ26人のうちから、クラブのアカデミー育ちの2人をのぞいた24人の所属クラブ(20ゴール以上を記録したシーズンの所属先)を見ると、川崎が6人と、群を抜いて多い。それに次ぐのが、ガンバ大阪とサンフレッチェ広島の3人である。
その川崎の「延べ6人」とは、ジュニーニョが2回(2003年にブラジルのパルメイラスから移籍、2006年に20ゴール、2007年に22ゴール)、大久保嘉人が2回(2013年にヴィッセル神戸から移籍、2013年に26ゴール、2015年に23ゴール)、小林悠が1回(2010年に拓殖大学から加入、2017年に23ゴール)、そしてレアンドロ・ダミアンが1回(2019年にブラジルのサントスFCから移籍、2021年に23ゴール)と、継続的に「オーバー20ゴール」を輩出していることがわかる。
2004年にJ2で優勝を果たしてJ1に2回目の昇格を果たした後、アップダウンはあったもののほぼ毎年上位争いにからむようになり、2017年以降、鬼木達監督の下、7シーズンで4回もの優勝を遂げた川崎の強さの秘密の一端は、間違いなくここにある。
タイトルに迫る「王道」は、「シーズン20ゴールのエース」を持つことなのである。オルンガのような「黄金」を掘り当てるのは本当に希なことかもしれないが、プロのクラブとしては、最大限の努力を払うべきポイントであるのは間違いない。「そんなこと、誰でも知ってるよ」と言われそうだが…。