【2023年J1リーグ、ヴィッセル神戸優勝の要因を探る(2)】前川黛也、佐々木大樹、山川哲史ら中堅台頭の一方で懸念される来期……浦和レッズが示した掛け持ちに必要なものの画像
佐々木大樹ら中堅の台頭も、ヴィッセル神戸の躍進を支えた 撮影:中地拓也

 今季初リーグ制覇を果たしたヴィッセル神戸。どうしても大迫勇也武藤嘉紀山口蛍酒井高徳の元W杯プレーヤーに注目が集まりがちだが、今季はそれ以外のメンバーの成長も光った。

 その筆頭が7ゴールを挙げた佐々木大樹。大迫や山口に「もっとやれる」「点を取れる」と鼓舞され続け、鋭さを増した24歳のアタッカーの変貌は神戸攻撃陣に大きな厚みをもたらした。

 佐々木の存在感が大いに発揮されたのが、10月21日の鹿島アントラーズ戦だろう。彼は2ゴールをマークすると同時に、相手左サイドの安西幸輝藤井智也のタテのラインを阻止。守備力の高さも印象付けたのだ。

 菊池流帆の長期離脱の穴を埋めた山川哲史の安定感も目を引いた。筑波大学時代は三笘薫(ブライトン)と日常的に1対1の練習に取り組み、対人守備に磨きをかけたという長身DFは昨季まで右サイドバックでプレーすることも多かった。しかし今季は最終ラインにしっかりと陣取り、本多勇喜マテウス・トゥーレルといい連携を見せながら、強固な守備組織を構築した。今季29失点というリーグ3番目の失点の少なさは、彼らDF陣の一挙手一投足によるところが大だった。

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