今季初リーグ制覇を果たしたヴィッセル神戸。どうしても大迫勇也や武藤嘉紀、山口蛍、酒井高徳の元W杯プレーヤーに注目が集まりがちだが、今季はそれ以外のメンバーの成長も光った。
その筆頭が7ゴールを挙げた佐々木大樹。大迫や山口に「もっとやれる」「点を取れる」と鼓舞され続け、鋭さを増した24歳のアタッカーの変貌は神戸攻撃陣に大きな厚みをもたらした。
佐々木の存在感が大いに発揮されたのが、10月21日の鹿島アントラーズ戦だろう。彼は2ゴールをマークすると同時に、相手左サイドの安西幸輝・藤井智也のタテのラインを阻止。守備力の高さも印象付けたのだ。
菊池流帆の長期離脱の穴を埋めた山川哲史の安定感も目を引いた。筑波大学時代は三笘薫(ブライトン)と日常的に1対1の練習に取り組み、対人守備に磨きをかけたという長身DFは昨季まで右サイドバックでプレーすることも多かった。しかし今季は最終ラインにしっかりと陣取り、本多勇喜やマテウス・トゥーレルといい連携を見せながら、強固な守備組織を構築した。今季29失点というリーグ3番目の失点の少なさは、彼らDF陣の一挙手一投足によるところが大だった。