浦和レッズに見る掛け持ちの難しさ

 2023年はこうして最高の成果を手にできたが、問題はここから。2024年は夏以降、AFCチャンピオンズリーグACL)が入ってくるため、超過密日程を強いられるからだ。

 今季シーズン終盤までJ1、YBCルヴァンカップ、ACLグループステージを掛け持ちしていた浦和レッズもケガ人や出場停止が重なって選手を回しきれなくなり、最終的にはJ1とルヴァンを逃し、ACLもグループ1位突破に失敗している。彼らの場合、4~5月にも22-23シーズンのACLファイナルがあり、あまりにも過酷過ぎたと言うべきだが、十分な選手層がいかに重要かがよく分かるはずだ。

 神戸の場合も補強を進めるとは見られるが、親会社・楽天グループの経営難もあって、高年俸の大迫や武藤らが減俸を強いられそうな気配もあるだけに、簡単にはいかないかもしれない。ドイツで出番を失っている原口元気(シュツットガルト)獲得の噂もあるが、果たしてリーグとカップ戦、ACLを戦い抜けるだけの十分な人材を集められるか。そこは非常に興味深い点だ。

 大迫や武藤、山口らにしても、来年はまた1歳年齢が上がり、ケガやアクシデントのリスクも高まる。そのあたりも考えながら、チーム編成を進め、今季以上のチーム力を養っていかなければいけない。1つ歯車が狂えば、一気に状況が険しくならないとも限らないのが今のJリーグ。だからこそ、重要なのはここから先だ。神戸が真の強豪クラブになるのか否か。それは2024年以降の戦いに懸かっている。

(取材・文/元川悦子)

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