■酒井高徳「以前は自分から周りに要求することが多かったけど…」
11月16日の2026年北中米W杯アジア2次予選・ミャンマー戦(吹田)で初キャップを飾り、父・和也さんとの親子2代W杯予選出場を果たした前川も代表に相応しい落ち着きを随所に披露。セービングや攻撃の起点となるキックなどでも見せ場を作った。
数年前は相手にプレッシャーをかけられるとミスをするようなメンタル的な脆さも垣間見えたが、そういう部分もなくなった。やはり強いチームには優れたGKがいるというのが鉄則だが、今季の神戸は前川の存在が非常に大きかった。
井出遥也、初瀬亮らを含めた20代メンバーが成長し、チームとしての輪が一段階二段階大きくなったことが、タイトル獲得の原動力になったのは確か。酒井高徳も「以前は自分から周りに要求することが多かったけど、今は彼らから要求されることも増えたし、自分がいろいろ言うことも少なくなった」と強調していた。そうやって選手層が厚くなって初めてタイトルに手が届く。そこも今季の神戸が如実に示した点だろう。