■ドイツ戦での活躍

 白眉は9月のドイツ戦だった。アウェー、ヴォルフスブルクで行われた試合。昨年のワールドカップ(2-1で日本の勝利)のリベンジを期すドイツの気概をくじいたのは、まさに菅原だった。

 前半11分、相手陣深くの右サイドで鎌田大地からゆったりとしたパスを受けた菅原は、鎌田が前のスペースにはいっていく動きにドイツ守備陣が気を取られた瞬間を見逃さずに急激にスピードを上げて突破。相手左サイドバックのニコ・シュロッターベックをあっさりと抜き去ってそのまま高速クロス。これにニアポスト前で伊東が合わせて先制点となった。

 それだけではない。19分にドイツが日本の守備を崩して同点とし、ほっとした瞬間、またも右サイドで菅原が決定的な仕事をする。伊東が受け、鎌田を経由したボールに長距離のスプリントで受けた菅原は、こんどはシュロッターベックを前に置いたまま冷静に中央を見て伊東にパス。伊東のシュートは左に外れるコースだったが、ゴール前にいた上田綺世が反応して巧みにコースを変え、再びドイツを突き放した。そしてこの2点目の痛手から、ドイツは結局立ち直ることはできなったのである。

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