■現場からの悲鳴
もう一つ、現場の声としては地域CLの強行日程を憂うる声も根強い。
今大会の決勝ラウンド初戦の会場で、某チームの監督に会ったので「大変な大会ですよね」と話を向けると「選手のケガが心配だ」という声が返ってきた。
今年の大会の日程を見ると、1次ラウンドは全国3会場で11月10日から12日にかけて行われた。つまり、「3連戦」だったのだ。そして、宇都宮で行われた決勝ラウンドは11月22日から26日まで、中1日の3連戦である。
このところ、日本のサッカーは各カテゴリーでレベルアップが続いている。
トップのJ1リーグだけでなく、今年はJ3リーグやJFLの競技レベルが大幅に上がった。もちろん、その波は各地域リーグにも波及している。
つまり、地域CL(地域リーグ決勝大会)が始まったころとは競技レベル、プレー強度はまったく異なっているのだ。優勝した栃木シティFCにはジェフ市原や横浜FCなどでプレーした戸島章とか湘南ベルマーレでプレーした表原玄太など、元Jリーガーが多数所属している。
現代のサッカーではプレー強度は高まっており、それは下部リーグの試合でも同じだ。そんな時代に、「3連戦」などという強行日程で戦っていたらケガ人が出てしまう。それが、僕が話をした監督の問題提起だった。たとえば、12月から1月上旬にかけて行われる全国高校サッカーでも、今では連戦はなくなっている。
全国リーグへの昇格という重大な大会だからこそ、各チームは万全の状態で戦いたいはずでもある。
1次ラウンドも決勝ラウンドも日程を見直して1週間かけて、たとえば日曜日、水曜日、土曜日に試合を行うようにすべきだろう。
各地域優勝チームだけに限定して出場チーム数を9つに減らせば、さらに日程を緩和できるのではないだろうか? 全国社会人サッカー連盟には、早急に検討をお願いしたい。