早急に検討が求められる「時代遅れの3連戦」と「謎の12枠」【サッカークラブの運命を分ける超難関大会「地域チャンピオンズリーグ」】(3)の画像
JFL入りを目指すチームの前に立ちはだかるのが地域チャンピオンズリーグである(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 2023年の日本サッカーは、各カテゴリーでシーズンの佳境に突入している。決してトップクラスのカテゴリーではないが、超難関として知られるのが「地域チャンピオンズリーグ」だ。その重要性と課題を、サッカージャーナリスト後藤健生がつづる。

■4枠中3枠を占めた関東勢

 今年の地域CL決勝ラウンドに進んだのは、栃木シティFC、VONDS市原のほか、ジョイフル本田つくばFC(茨城県)と福山シティFC(広島県)の4チームだった。そのうち3つが関東リーグ所属のクラブだった。

 決勝ラウンドの開催地が栃木県だったので、関東のチームが多く出場したことで多くの観客が集まるという効果はあったかもしれない(ジョイフル本田と栃木Cの最終戦の入場者数は1673人)。

 ちなみに、会場の栃木県グリーンスタジアムはアクセスが不便なスタジアムだったが、75年ぶりの新規開業の路面電車として注目を集めた宇都宮ライトレールが完成。「グリーンスタジアム駅」が出来て、アクセスは非常に便利になった。

 しかし、全国9地域リーグから全国リーグへの昇格チームを決めるための地域CLの決勝ラウンドに、どうして関東のチームが3つも出場することができるのだろうか?

 それは、地域CLには各地域リーグのチャンピオン以外にも出場権が与えられるからだ。

「大会要項」によれば、参加チームは下記の通りとなっている。

 まず、各地域リーグの優勝チーム:9チーム

 次に、全国社会人選手権大会のベスト4以上でJFL入会を希望するチーム:最大3チーム(全社枠)

 以上で12チームに達しない場合は、Jリーグ百年構想クラブで地域リーグ2位に入ったチーム。地域リーグ2位でJFL入会を希望するチームに出場権が与えられる。

 どうして参加チーム数を12にしなければいけないのか、よく分からないが、9つのチャンピオン・チーム以外に3チームが出場できるのである。

  1. 1
  2. 2
  3. 3