■おかしなレギュレーション
今年の場合は、全国社会人選手権で準優勝のアルテリーヴォ和歌山と同3位のFC徳島は、関西リーグと四国リーグで優勝してすでに出場権を得ていたので、全社優勝のFC刈谷(愛知県)とジョイフル本田が「全社枠」で出場権を獲得。さらに、栃木C(関東リーグ2位)が「百年構想枠」で出場したのだ。そして、ジョイフル本田と栃木Cが1次ラウンドを勝ち抜いたため、決勝ラウンドに関東のチームが3つも出場することになったのだ。
つまり、もしかしたら関東リーグ5位だったジョイフル本田がJFLに昇格してしまうことだってあり得たのだ。
このレギュレーションは明らかにおかしい。
全国社会人選手権というのはいわゆるカップ戦である。リーグの昇降格はリーグ戦の成績によって決まるべきものだ。
たとえば、天皇杯全日本選手権大会に優勝したヴァンフォーレ甲府にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権は与えられたが、天皇杯に優勝したからといってJ1リーグに昇格できたわけではない。当たり前のことである。
もし、地域CLの出場チーム数を12にする必要があるとしても、そこには全社というカップ戦の成績を反映させるべきではない。過去の大会のポイントを計算して実力上位3つの地域リーグを決めて、その地域の2位のチームに出場権を与えてチーム数を調整すべきだろう。
また、出場チーム数が12なので1次ラウンドは3グループに分かれる。そのため、各グループ2位チームのうち最上位のチームも決勝ラウンドに進む規定になっている(今年の場合はV市原が2位最上位として決勝ラウンドに進んで、JFL挑戦権も手に入れた)。
これも、運不運が絡んで地域CLを複雑化する原因の一つだ。