■4度はね返されたV市原

 なにしろ、9つの地域リーグから昇格する2チームを選ぶのだから、厳しく複雑な大会になるのは当然だ。年間を通して戦うリーグ戦で優勝したとしても、毎年11月に開催される短期決戦の地域CLを勝ち抜かなくては全国リーグへの昇格ができないのだ。

 中には、2019年に関東サッカーリーグ1部に昇格すると、2021年に関東リーグ1部で優勝してそのまま地域CLでも優勝。関東リーグ1部をたった2年で通過して全国リーグ入りを果たしてしまったクリアソン新宿のような例もある。

 だが、たとえば今年の入れ替え戦進出を決めたVONDS市原は、長期にわたって全国リーグ入りに向けて挑戦し続けたチームだ。

 古河電工千葉を母体に2011年に発足したV市原。全国リーグ挑戦の可能性がある関東サッカーリーグ1部に昇格したのが2014年。それ以来、10シーズンに渡って挑戦を続けてきた。その2014年に全国社会人選手権大会で3位に入って、いわゆる「全社枠」で地域リーグ決勝大会に初挑戦。この時は1次ラウンド敗退となった。

 2017年、19年には関東リーグ1部で優勝。2023年には3度目の優勝を果たしているが、地域CLで決勝ラウンドに進んだのは2017年のわずか1回しかなかった(この年は3位で昇格には届かず)。

 V市原にとっては、JFL昇格はまさに「悲願」なのである。

(3)へ続く
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