■所属クラブでも絶対的存在
彼が代表でこれだけコンスタントに活躍できる要因を考えると、スタッド・ランスというフランス1部の中堅クラブでプレーしていることが1つ挙げられる。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)やヨーロッパリーグ(EL)が週中に入ってくる三笘や久保建英、鎌田大地、堂安律らに比べると、伊東はリーグ戦に専念しており、試合消化数が少ない。コンディションも整えやすく、余力を持って代表に合流できるのだ。
所属先でもウィリアム・スティル監督から絶対視され、必ず試合に使われる。試合勘が不足するようなことは全くないし、パリサンジェルマンなどトップクラブと堂々と渡り合う経験値を積み重ねられるため、自信を持って代表でもプレーできているのだろう。
同クラブでは今季、右の大外に張ってタテに仕掛けるプレーだけでなく、インサイドでチャンスメークしたり、ゴールを狙っていくシーンも増えている。ある意味、フリーマンと言える状況に近いかもしれない。そうなると伊東はアイディアや創造性が増し、攻めのバリエーションも増えてくる。
そのプラス効果も代表に表れているのか、シリア戦を見ていると中に絞ってシュートを放ったり、久保や菅原とポジションを入れ替えながら臨機応変にスペースに侵入。虎視眈々とゴールを伺っていた。左サイドに移動してからもタテへの推進力を披露。苦手意識を感じさせなかった。