シリア戦の試合後、マン・オブ・ザ・マッチ(MOM)として記者会見に登壇したのはキャプテン・遠藤航だった。しかしながら、多くのメディアやサポーターからは聞こえてきたのは、「今回、MOMに最も相応しかったのは伊東純也」という意見だった。
確かに、この日の背番号14のパフォーマンスは圧巻だった。久保の先制ゴールをお膳立てした右からのパスに始まり、上田綺世の2点目をアシストした伊藤洋輝(シュツットガルト)のクロスの頭での折り返し、上田の3点目を生んだ右からのラストパス、そして終盤の細谷真大の5点目をもたらした左からのクロスと、全5点中4ゴールに絡む大仕事をしたのだから、高く評価されるのも当然と言える。
2023年の日本代表全10試合を振り返っても、8試合出場(うち先発6試合)・4ゴール・7アシストという目覚ましい数字を残している。今の森保ジャパンでは、彼と三笘薫(ブライトン)が「攻撃陣の2枚看板」と位置付けられているが、三笘はご存じの通り、10・11月の代表活動を続けて欠席した。それを踏まえると、伊東が今年1年間のMVPに相応しい。
来年2月には31歳になろうという「イナズマ純也」は衰えるどころか、爆発的な進化を続けていると言っても過言ではないのだ。