■ビハインドの清水は81分に追いつくが

 後半の3分の1にあたる60分になっても、3会場ともに動きはない。しかし、60分を過ぎた直後から、どの試合もめまぐるしく動いていく。

 栃木対磐田戦は、61分に磐田が一歩前に出る。左サイドからDF松原后がクロスを入れると、走り込んだMF松本昌也が、高い打点のヘディングシュートを決めたのだ。

 水戸対清水戦も動く。62分だった。清水CB高橋祐治のパスミスから、水戸が先制点を奪うのだ。

 大宮対東京Ⅴ戦は、63分にスコアが刻まれる。自陣でのパスカットからロングカウンターを仕掛け、MF森田晃樹が右ポケットへ侵入する。ゴール前へクロスを供給すると、交代出場したばかりのMF綱島悠斗がプッシュした。

 この時点で磐田と東京Ⅴがリードし、清水はビハインドを背負っている。このまま終了すると、磐田が2位、東京Ⅴが3位、清水が4位となる。

 東京Ⅴは78分に追加点をあげた。MF中原輝が得意の左足で2点目を蹴り込んだ。押し込んだなかでの2対0のスコアは、勝利を決定づけるものになったと言っていい。

 清水は81分にチアゴ・サンタナのゴールで同点に追いついたが、2点目をあげることはできなかった。勝点1にとどまった。

 この結果、栃木に2対1で勝利した磐田が、2位でJ1昇格を決めた。また、大宮を2対0で下した東京Ⅴは3位で、清水は4位でJ1昇格プレーオフに臨むこととなった。

 J1昇格プレーオフに出場する残り2チームは、モンテディオ山形ジェフユナイテッド千葉となった。千葉は前節終了時点で6位以内を確定していたが、ヴァンフォーレ甲府に競り勝った山形が7位から5位に浮上した。4月にピーター・クラモフスキー監督を解任し、渡邉晋監督のもとで建て直しをはかった山形は、劇的な展開でのJ1昇格プレーオフ進出となった。

 プレーオフの初戦は、11月25日または26日に行なわれる。およそ2週間のインターバルをどのように過ごすのかが、各チームに問われることとなる。

  1. 1
  2. 2
  3. 3