■UAEに1-13で敗れた時代
協会発足後、公式に最初の試合が記録されたのは1957年の10月のこと。レバノンのベイルートで行われた第2回全アラブスポーツ大会だった。エジプト人監督に率いられたサウジアラビア代表は、シリアに3-1で勝ったものの、ヨルダンには0-1で敗れ、レバノンとは1-1で引き分けた。
その後、サウジアラビアのサッカーの発展は遅々たるものだった。1961年には、同じアラビア半島の「小国」UAEに1-13という屈辱的なスコアで敗れている。アジアカップには出場せず、ワールドカップ予選には1978年大会からエントリーしたもののようやく初出場を果たすのは1994年のアメリカ大会だった。
しかしアジアでは、サウジアラビアは1980年代に突然アジアの強豪のひとつとして登場する。アジアカップでは、1984年の初優勝を皮切りに5大会連続して決勝に進出、ともに日本に0-1で敗れた1992大会と2000年大会以外の3大会で優勝を飾っている。1984年夏にはロサンゼルス・オリンピックに出場、3戦全敗に終わったが、ブラジルには3点をリードされた後にマジェド・アブドゥラーが1点を返した。そのチームが、同じ年の年末にはアジアカップで初優勝を果たすのである。