■AFCでも影響力拡大
当然のことだが、AFCの中でも中東の影響力は拡大の一途をたどっている。
たとえば、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)。従来、2月に開幕して11月に決勝というスケジュールで開催されていたACLだったが(2022年大会は新型コロナウイルス感染症の影響で決勝戦は5月に開催)、今年の大会からいわゆる「秋春制」に移行。9月に開幕した大会は12月までにグループステージを終了し、年が明けてからノックアウトステージに入り、2024年5月にホーム&アウェーで決勝が行われる予定になっている。
従来の「春秋制」のスケジュールは東アジア有利のレギュレーションだった。
東アジアでは、日本も韓国も中国もいわゆる「春秋制」でリーグ戦が開催されている(いた)。従って、シーズン開幕とともにACLも始まって、シーズン終盤に決勝を迎えることになっていた。
だが、中東諸国の国内リーグは「秋春制」だ(夏場の最高気温が摂氏40度をはるかに超える中東では、夏にサッカーをすることは不可能だ)。従って、従来のスケジュールだと中東のクラブはグループステージ終了とともにシーズンオフに入り、シーズン開幕と同時に新チームで(場合によっては、新監督の下で)ACLのノックアウトステージを戦うことにならざるをえない。