【ルヴァン杯決勝で浦和MF大久保智明が感じたこと。100%を出せないもどかしさの中で(1)】「勢いを与える」と「落ち着かせる」という矛盾する二つの役割の間での葛藤の画像
ルヴァンカップ決勝のアビスパ福岡戦でプレーした浦和レッズの大久保智明 撮影:中地拓也

「せめて0ー1で出たかったというのが正直な気持ち」

アビスパ福岡に2ー1で敗れた試合後、大久保智明は振り返った。前半アディショナルタイムに痛恨の2失点目を喫してしまった浦和レッズ。マチェイ・スコルジャ監督は後半スタートから安居海渡とともに大久保を送り出した。右サイドから持ち前の鋭い動きなども見せて、相手陣内でFKを獲得したり、酒井宏樹のロングボールから左の明本考浩が決めたゴールシーンも、ボックスに入り込んで相手ディフェンスを引き付けた。

 ただ、大久保としては決勝の舞台で追いかける形となり、5バックで構える福岡に対して、縦に攻め急いでは引っ掛けたり、セカンドボールを拾われてカウンターを受ける流れを危惧してもいた。つまり「勢いを与える」と「落ち着かせる」という矛盾する二つの役割の間で葛藤していたのだ。

「雰囲気もバックパスだったりとか横パスが入ると、ため息じゃないけど、そういうのも流れる中で……だけど、ああいう福岡相手にはタイミングだったりとか、引きつける動きだとか。そういうところも必要ではあるので。そこの冷静さを欠いたというのは僕も含めてあるかなと思います」

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