■清水が「質的優位」を見せつける
「超攻撃的」が、爆発した。
J2リーグ第39節が10月20日、21日、22日に開催され、2位の清水エスパルスは17位のいわきFCと対戦した。
J1自動昇格圏の2位以内をめぐって、清水の後方から東京ヴェルディとジュビロ磐田が勝点2差で追いかけている。この日の結果次第で順位が入れ替わるだけに、清水にとっては負けられない一戦である。
キックオフからいわきのハイプレスを受けた。相手の出足の鋭さが目立つが、清水からすれば悪くない展開だ。相手が攻撃に出てくれれば、敵陣にスペースを見つけやすくなる。ゴール前を固められるよりも、個のクオリティで局面を打開しやすいのだ。
先制点は幸運な形から生まれた。GK権田修一のキャッチで相手のCKからの攻撃を絶つと、守護神は前線へボールを蹴り出す。MF中山克広を狙ったボールに相手DFふたりが交錯し、どちらも処理できずに中山がフリーで抜け出す。ペナルティエリア内まで持ち込んだ背番号11は、5月21日のFC町田ゼルビア戦以来となるシーズン6点目を蹴り込んだ。清水が先制する。
スペースと時間を確保しやすい展開で、清水は質的優位を得点へ結びつけていく。30分にはMF乾貴士がFWチアゴ・サンタナとの見事なコンビネーションを見せ、飛び出した相手GKもドリブルで突破するというチャンスメイクから、最後は中山が2点目を決め、32分にはDF原輝綺が右CKのセカンドボールをプッシュする。原は夏の復帰後初ゴールだ。
3対0とした清水は、システムを4-2-3-1から3-4-2-1へ変更する。いわきのプレスをより効果的に回避するための対応だった。41分にカウンターから失点するものの、スコアを詰められたことでチームが引き締まるのだ。