■大量7ゴールで清水が2位キープ

 3対1で迎えた後半も、清水は攻撃力を爆発させる。守備に重心を置くのではなく、攻撃的な姿勢を貫いてきたいわきに、クオリティの差を見せつけるのだ。

 59分、左SB山原怜音が乾のアシストから力強いシュートを決める。山原は今シーズン初得点だ。62分にMF白崎凌兵、75分にDF北爪健吾がネットを揺らし、90+2分にはDF岸本武流がCKの流れからプッシュする。大量7ゴールを浴びせた清水が、他会場の結果に関係なく2位をキープした。

 清水の残り3試合は、ロアッソ熊本、大宮アルディージャ水戸ホーリーホックが相手だ。熊本戦と大宮戦は2試合連続でホームゲームとなる。どちらもJ2残留を争っており、とりわけJ3降格圏の大宮はギリギリの戦いを続けている。守備的な相手をいかに崩すかがテーマとなりそうだが、シーズンを通じて向き合ってきたテーマだ。打開策はすでに用意できている。

 この日はセットプレーやカウンターからも得点をあげている。攻撃のバリエーションが豊富なのは言うまでもなく、数多くの選手が得点に関わっている。じっくりとボールを動かしながら、相手の守備を剥がしていくのだろう。

 チームを率いる秋葉忠宏監督は、「こういうゲームをあと3試合できるように。最後の最後まで、J1昇格を勝ち取るまでひとつのスキを見せることなく戦っていきたい」と話した。J2で抜きん出たクオリティを誇るタレント集団は、シーズン最終盤でアクセルをさらに踏み込む。

 なお、今節の勝利で勝点を「78」とした町田が、クラブ史上初のJ1昇格を決めている。

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