■重い腰を上げた森保監督
その森保監督が、ようやく重い腰を上げたようだ。
10月シリーズ(カナダ戦、チュニジア戦)に向けての日本代表には、これまでずっと招集され続けていた鎌田大地と堂安律が招集外となった。
クラブでポジションを確立できていないなど、それぞれに事情を抱えているからなのだが、他にもクラブで十分な出場機会を与えられていないままでも招集されている選手もいる。
守田と堂安については、すでにその地位を確立しているので、ここで無理して招集する必要はないというのが、代表チームのスタッフの判断だったのだろう。
守田と堂安がはずれる一方で、南野拓実がついにワールドカップ終了後初めて招集され、さらに重傷でワールドカップを棒に振った中山雄太も名を連ねた。
そして、招集を受けていた三笘薫と前田大然が招集を辞退したため、中村敬斗や川辺駿も追加招集で代表入りした。
こうして、かなりのメンバーが変更となった日本代表だったが、さらに森保監督はカナダ戦の先発メンバーとして、これまでに代表での出場回数の少ない選手を多く起用した。
カナダ戦では久保建英をはじめ、板倉滉、伊藤洋輝、菅原由勢、谷口彰悟ら、代表での出場回数の多かった選手たちをベンチに置いた。しかも、新戦力組だけではなく、伊東純也や遠藤航、冨安健洋といった“主力組”もピッチに送り込んだ。
おそらく、10月17日のチュニジア戦には、カナダ戦で先発しなかった選手が名を連ねることになるのだろう。“主力組”を半数に分けて2試合を戦うことによって、“主力組”と新戦力のさまざまな組み合わせを見ることができるのだ。「総取り換え」よりは、はるかに有意義な戦い方と言える。
9月の欧州遠征では、さすがにワールドカップ優勝経験国であるドイツとのアウェー戦に“主力組”を起用し、トルコ戦が新戦力主体だったが、10月シリーズではカナダとチュニジアという“同格の”相手ということで、こうした戦い方になったのだろう。