■アジアカップの開催時期の難しさ
ワールドカップに出場した国の多くは、大会終了後に新監督に切り替える(ロシア大会後、アジアのチームで監督が留任したのはイランだけだった)。そこで就任した新監督にとっては、半年ほどの準備期間しか与えられないのだ。
2019年アジアカップの間に、オーストラリアのグラアム・アーノルド監督の“愚痴”を何度も聞かされた。
幸い、次回のアジアカップはワールドカップから約1年後に行われることになった。
ワールドカップ自体もカタールで開催されたために、開催時期が半年遅くなり、異例の2022年11月から12月開催となった。
従って、アジアカップが当初の予定通り、2023年6月に中国で開催されていたら、再び、ワールドカップに出場した強豪国の監督は難しい舵取りを要求されることになったはずだ。
だが、幸いなことに(?)新型コロナウイルス感染が拡大したため、中国が開催権を返上。カタールでの代替開催が決まった。そして、当然、カタールでは夏の開催は不可能なので開催時期は後ろ倒しされ、年が明けた2024年1月の開催となった。
おかげで、ワールドカップからアジアカップまで約1年の時間が経過することになった。
ワールドカップ終了後、“続投”が決まった森保監督にとっては、前回の監督就任からアジアカップまでの準備期間に比べて長い時間が与えられるようになった。
しかも、“2期目”の森保監督はすでに代表選手やチームを十分に把握しているし、アジアカップでどうしても結果を出して権威を確立する必要もないはずだ。
「もっと冒険をしてもよいのではないか」と僕はずっと思っていた。