■サッカーの学び方

 ただ、サッカーといっても最初からゲームをしたわけではない。1、2年生の「学習内容」は「ボールけり遊び」であり、止まっているボール、あるいはゆるく転がってくるボールを足でけるというだけのものだった。3、4年生では「ラインサッカー」を教えることとなっていた。これは横並びになった両チームが10~15メートルほどの間を置いて向き合い、とにかくボールをけり、相手のラインを越えたらゴールというものであった。そして5、6年生になって初めて2個のゴールを置いた「簡易サッカー」ということになるのである。

 教育指導要領が変わっても、それを周知徹底させ、先生たちにも指導法を教えなければならない。新しいものが実際に学校の現場で指導されるようになるまでには、数年を要した。したがって、私とサッカーの出合いは、まさに小学校の中学年になったころ、3年生か4年生のときだった。当時の文部省(現在の文部科学省)は、小学校の体育の授業でいつ何を指導するかまで指定していた。サッカーを含む「ボール運動」は、運動会が終わった後、10月から11月に行われることになっていた。3年生のときだったか、4年生のときだったかは覚えていない。しかし秋だったのは間違いない。すなわち、1960年か1961年の秋のことである。

(2)へ続く
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