大住良之の「この世界のコーナーエリアから」第122回「私のサッカー事始め~または『後ろ手ディフェンス』が嫌いなわけ」(1)小学生にまず教えられた「ラインサッカー」の画像
サッカーの最大の魅力とは(写真はイメージです) 撮影:中地拓也

 サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト・大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は「後ろ手ディフェンスが嫌いな理由」。

■サッカーの喜びの根源

 ビデオ・アシスタントレフェリー(VAR)の導入と時期を同じくして始まったハンドリングの反則に関する判定基準の混乱により、欧州主要国のDFたちはセンタリングやシュートを阻止しようとキッカーの前に立ちはだかるときには両手を体の後ろで組んで隠すようになった。私はこの行為が大嫌いだ。

 ディフェンダーたちを非難するのではない。彼らにこんなことを強いている現在の「ハンド」の判定基準に大いなる疑問を抱くのである。なぜならば、こうした行為は、サッカーの喜びの根源である「自由さ」を根本から損ねるからである。

 実は私は、「サッカー」というものに最初に出合った日に、まさにその行為を強いられたのである。その日から数年間、私はサッカーに親しまなかった。きょうはその話をしよう。

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