難敵のトルコを相手に、森保一監督はドイツ戦から中2日でスタメン10人を入れ替えて臨んだ。結果は4ー2の勝利。「選手層を厚くするということと、より多くの選手と戦術の共有をする、そしてレベルアップにつながる経験をするということを、試合の経験の中で行えた」と指揮官が振り返る通り、3−0になってから一度は3−2まで巻き返された試合運びなど、フレッシュなメンバーならではの課題も出たが、フレッシュなメンバーのアピールという意味でも、ポジティブな要素が多い試合だった。
2得点の中村敬斗(スタッド・ランス)に並んで大きくアピールしたのが、代表初スタメンとなった伊藤敦樹(浦和レッズ)だ。日本のゴールラッシュの口火を切った鮮やかな左足のミドルシュートには左利きと見間違える声も見られた。伊藤本人は「それぐらい左を使える印象を持ってもらえるのは自分にとって損することではない。決定的な仕事を逆足でもできるのは自分の武器でもあるので。そう言った意味ではいい評価をされてるのかな」と語っていた。
そのミドルシュートもさることながら、そこまでの流れのイメージも見事だった。直前にピンチがあるなど、あまり主導権を握っている状況ではなかったが、堂安律を起点に右サイドのチャンスを広げたのが、伊藤の得意としているオフの動きだった。
「あそこの流れはレッズでもやっている」と振り返る斜めに流れる動きからボールを引き出そうとしたが、その時点でボールが来ずに、さらに大外まで流れたところでボールを受ける形に。伊藤は「最初クロスをあげようかと思ったんですけど、相手が思ったより食いついた」と語るようにキックフェイントで相手ディフェンスを外した。
「もう1回中を見た時に、相手が遅れて出てきてくれて。またリツといい形でワンツーして。もうワンツーした時には打とうかなと思っていて。そこからシュートを打った瞬間に入ったと思いました」