■「タケだったりリツとかと被ってしまうことが多くて」
本人が主張する通り、左足でのゴールというのは伊藤の武器だが、「あそこまでミドルの形とかは初めて」と伊藤も驚きを隠さなかった。それでもドイツ戦で田中碧が決めただめ押しゴールに刺激を受けたという伊藤はボランチのポジションからタイミングよく顔を出して、ゴールに絡むことを試合前からイメージしており、このゴール以外にもその姿勢は見られた。ただ、ボランチに求められるベースのところで課題が出たことは伊藤も自覚していた。
ーーやっぱり敦樹選手の中で感じた課題というのは守備でフィルターになりきれなかったところとか、ビルドアップでちょっと周りとかぶっちゃって、うまく運べなかったとか？
守備のところではそのフィルターになりきれてなかったですし、ボールに行くところだったり、オーガナイズするところで、自分のところでもっと。初スタメンでしたけど、自分のところでもっと主導権を握って、オーガナイズとかもできたら良かったと思いますし、ボールを奪い切るところもまだまだだと思いました。
攻撃のところはビルドアップで…まあ２センターのところで思ったより簡単に運ぶことができましたけど、そこから自分が顔出すところで、タケだったりリツとかと被ってしまうことが多くて。自分も少しどこのポジション取っていいか分からない時間も多かった。
（後半に続く）
（取材・文／河治良幸）
