■徒労に終わった理由

 また前半に起きた二人のやりとりを紹介したい。13分、相手選手とのコンタクトプレーで伊藤のスパイクの紐が切れた時のことだった。予備のスパイクをベンチに要求するとすぐに小泉がロッカールームへと走り、伊藤にスパイクを渡していた。

 小泉は「(紐が切れたことを)伝えに行ったら誰も把握していない状況だったので、結果的に僕が届ければいいと思って届けにいったが、彼のスパイクが2足あり、僕が持っていた方ではなく、スタッフが持っていった分が使われたので、ただの徒労に終わりました」と一連の出来事を笑顔で話した。

(文・構成/石田達也)

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