■日本特有の選択肢だが…

――三笘選手をはじめ、カタールW杯の日本代表チームには、谷口彰悟選手や上田綺世選手など9人の大卒選手が選ばれました。三笘選手は著書で「自分が世界で活躍できる日本人大卒選手のロールモデルになれたら」と語っていますが、大卒選手が活躍している理由については、どうお考えですか。

 大学を経由した効果については分かりませんが、三笘選手や谷口選手など、彼らの多くはプロ入りを断って大学に進学した選手なので、そもそもプロに進む実力があったと考えるのが自然です。その点でいうと、大学進学をして自ら道を切り開いた三笘選手は素晴らしいですが、その一方で、もし、彼が17歳からプロでプレーしていたら、どこまでの選手になっていたのだろうという期待も持ってしまいます。

 もちろん、大学を経由するという選択にもメリットはあって、4年間という長い時間をかけて、サッカーと勉強の両方をじっくり成長させることができる。この点では、プロよりも完成されたシステムと言えるので、日本特有の大きな選択肢だと思います。

 ただ、鎌田大地選手や堂安律選手のように、すぐにプロに入って海外へ挑戦するという最短のルートを選ぶのが向いている選手もいるので、そういった選手のために、Jリーグはもっと最短ルートの仕組みも作らないといけないと思います。17歳でプロになりたい選手がいたら、14歳の時点で、プロ向きに頭の中を変換させなければいけない。

 現状のように、小中高大という日本の学校システムの時間に囚われていてはダメなんです。最短ルートを目指す選手は、小さいうちからどんどん上に引き上げていかないと、プロ入りの準備ができなくなります。そこの改革は今後サッカー界として必要でしょうね。

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