8月26日、等々力競技場で川崎フロンターレは北海道コンサドーレ札幌を迎えた。J1リーグ第25節に挑むホームチームは3連敗を喫しており、そのすべてで先制点を献上していた。
試合前から川崎は失点への意識を高めており、特にセットプレーには警戒感を示していた。そんな中で与えてしまった直接FKのチャンス。川崎から見てペナルティエリアの左角のすぐ外で、キッカーは福森晃斗。1試に2本決めたこともある、直接FKの名手だ。
失点を防ぎたい川崎は、福森とゴールの間に5人の壁を作る。さらにその壁の足元を守る位置に1人を配置。FKに合わせて来る可能性を考え、ゴール前には4人が並んだ。
しかし、札幌はゴール前に5人を置いており、ペナルティエリア手前にMFスパチョークを配置。それでも川崎は直接FKを防ぐことを第一に考えた配置で構えた。
そして福森が蹴ったボールは川崎の壁に当たって弾かれる。ここまではホームチームの狙い通りだった。ところが、そのボールはペナルティアーク方向へと飛んでいく。そう、スパチョークがいる場所である。
タイ代表MFはこのこぼれに対し、フリーでシュート体勢に。狙いを定めて右足でボールを叩くと、ボレーシュートはすさまじい勢いでゴールネットに向かい、左上の隅を突いて先制点をきめたのだった。