【浦和レッズ・小泉佳穂の苦悩(2)】「批判的に見られる」と話すトップ下のジレンマ。中島翔哉、安部裕葵、安居海渡らライバルに対し、小泉が目指す「トップ下像」は中村憲剛の画像
浦和レッズの小泉佳穂 撮影:中地拓也

 浦和レッズでこのところトップ下で先発しているのは安居海渡。リカルド・ロドリゲス監督が率いていた昨季はリーグ6試合出場と出番が限定的だったが、マチェイ・スコルジャ監督体制の今季はここまで21試合出場3ゴール。存在価値を急激に高めているのは間違いない。

 その安居も小泉と同じボランチ兼任のプレーヤー。試合途中から岩尾憲と代わって一列下がるケースも多く、小泉佳穂にとっては役割が重なる分、中島翔哉安部裕葵以上にビッグライバルと言ってもいいかもしれない。

 スコルジャ監督にしてみれば、「小泉も安居も攻守両面でチームに貢献してくれる選手だが、今のところは安居の方が数字を残しているし、守備強度も高い」といった見方をしているのではないか。そのあたりが目下の小泉の課題と言えるだろう。

「トップ下の選手はゴールやアシストがないと批判的に見られるということはあると思います。僕自身もずっとそういうジレンマを抱えてやってきました。

 だからと言って、チームをないがしろにしてゴール前にいることにこだわるのがいいことなのか……。今の監督はマイナス面を消すことをまず大事にする考え方。(2列目が)点が取れないことに対するネガティブな声も聞きますけど、今はチームの主眼をそっちに置いていると思う。トモ(大久保智明)なんかはそこをブラさずにやってるからずっと使われている。すごく強いなと思って見ています」と小泉は神妙な面持ちで語っていた。

 つまり、チームを助けながら点も取れる存在になれば、スコルジャ監督は真っ先に彼を抜擢するということになる。

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