■これまでのW杯との違い
いずれにしても、日本代表は少なくともラウンド16の段階まで参加36チーム中でも最高のパフォーマンスを示したチームであり、今では現地メディアでも「優勝候補」と言われ始めている。ノルウェー戦の翌日、日本の選手たちがオークランドへの移動のためにウェリントン空港に姿を現すと、周囲のニュージーランド人から大きな拍手が送られた。
今後の戦いがどうなるかはもちろん誰にも分らない。だが、ワールドカップという舞台で日本代表が優位に立った戦いを続け、“必然の勝利”で勝ち進むのは男女を通じてもちろん初めてのこと。画期的な出来事であると言っていい。
女子のワールドカップでは2011年と2015年に2大会連続で日本は決勝に進出した。男子のワールドカップでも、日本は2018年のロシア大会と2022年のカタール大会で2大会連続でラウンド16進出に成功している。
だから、ワールドカップという舞台で日本チームが勝利するのは、ある意味で見慣れた風景になっている。
しかし、明らかに日本が優位に立つ試合を続け、それを認めて対戦相手が守備を固めてくる……。こんな勝利の仕方を僕はこれまで見たことがなかった。